<外来感染症対策について>
現在当院では、新型コロナウィルス(COVID-19)やインフルエンザの患者に対応しております。新興感染症についても感染症法38条第2項の規定に都道府県知事の指定をうけて対応の予定です。つきましては感染蔓延対策として一般患者との接触を避けるため別室や自家用車内での待合、対応に努力しております。発熱の有無に関わらず風邪症状のある方はいきなり受診せず、必ず電話にて確認をお願いいたします。特にCOVID-19は4回以上ワクチンを接種されている方は発熱のない方が多く見られます。

<特殊光観察による内視鏡装置>
胃カメラ、大腸内視鏡検査の光源装置を最新式のものに一新いたしました。これには特殊光観察(NBI)という機能がついています。NBIとは特殊な青い光を当てる事によって、粘膜表面に近いところの毛細血管の観察ができ、粘膜表面の癌つまり早期癌の発見、診断に有効な装置です。特に食道表在癌は凹凸のない癌が多く通常内視鏡では発見が困難でルゴール染色が必要でしたが、ルゴールには胸焼けなどの副作用を伴うため積極的に行えません。NBIですと副作用もなく通常の胃カメラの一環で観察可能です。喫煙される方、アルコールを多飲される方、咽頭・喉頭癌の治療された事のある方などは食道癌のリスクが高いですので普通のカメラで大丈夫と言われた方でも一度検査される事をお勧めいたします。
<血圧脈波検査>
当院では今回、動脈硬化の程度を測定するのため血圧脈波検査装置を導入いたしました。血管年齢が判定できます!高血圧、糖尿病、高脂血症など動脈硬化がご心配な方はどうぞ。痛みもなく、10分ほどで結果がでます。
詳しくは、左上の「設備ご紹介」のページをどうぞ。

<ピロリ菌:胃検診>
【目的】簡便な採血でピロリ菌感染の有無と胃炎の状態から
胃癌リスクを知り、無駄なく胃癌精密検診を振り分ける。
【対象者】今までピロリ菌の有無を診断されたことがない方。
【方法】問診と採血5ml
【結果判定までの時間】約1週間
【費用】保険外診療となりますので4,500円かかります。
(検査センターが料金を見直したため値下げできました。)

<最近の話題・院長雑感>

★ピロリ菌健診始めました!(平成21年7月号)
今まで、そして今でも胃癌検診とは40歳以上の人全員に年に1回バリウムを飲ませて胃透視をすることで行われてきました。胃癌とピロリ菌の関係はすでに明らかになっております。胃内にピロリ菌が感染していない人はほとんど胃癌(腺癌)にはなりません。ピロリ菌に感染している人の中の1〜2%に胃癌が発生します。ですからピロリ菌のいる人といない人で同等に胃癌検診を行うのはムダが多いと言わざるをえません。専門家の間では現行の胃癌検診方法を疑問視する声があがっています。ピロリ菌も胃炎が強くなりすぎると胃内に住めなくなって自然消滅する場合があります。このような方もピロリ菌が過去にいたために胃癌のリスクが高いですので、このような方も見逃さないようにしなければなりません。以上のようなことを考慮してピロリ菌健診をデザインしました。胃検診または胃カメラをためらわれてる方はまずはピロリ菌健診をどうぞ!詳細は上の記事にあります。


★医療事故裁判の矛盾[“真相究明”なくとも“再発防止”はできる](平成21年4月号)
いきなりこんな所に医療事故の話を書くと、当院で医療事故があったのかと勘ぐられるといけませんので、最初にそんな事実はないことをお断りしておきます。最近の報道(大野病院事件や東京女子医大人工心肺事件など)で常々感じている事をお話しします。

医療事故に当たってはその被害者の方がよくおっしゃることに、『このような事故は二度と起こって欲しくない』『○○の死を無駄にしたくない』という事があります。つまり一番望まれる事は“再発防止”です。次に『真実を知りたい』つまり“真相究明”です。ところが刑事裁判で行われる事は単なる“責任追及”でしかないのです(民事裁判は“損害賠償”ですので別の話です)。“真相究明”と“責任追及”は同じように思われますが全然異なります。“責任追及”とは単なる犯人探しなのです。その犯人探しも裁判が始まる前に犯人を決めておいてその人が有罪か無罪かを何年もかけて決める訳で、新たな犯人が浮かび上がってもその裁判では責任は問えないのです。“真相究明”とはほど遠いと思います。
 
“真相究明”に関しては現在第三者機関の事故調査委員会の設立が検討中です。しかし、高度な医療を行っている病院の医療事故ほど複雑で単一の原因でない事も多いのではないでしょうか。医療行為は時系列で考えると医学的判断の分岐点いくつもあり、どの時点で誤りであったのか、どの程度誤りであったのかかなり複雑な問題です。極端にいうとその場にかかわった人間すべてが(事故を防げなかったという意味で)少しずつ責任を負っているとも言えなくもないでしょう。

“真相究明”がされなければ“再発防止”ができないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。原因を1つに断定しなくても可能性がある事すべてに対して再発防止策を講じれば良いのです。

私は人工心肺を必要とする手術や産婦人科のことは専門外で知識がないので非常に簡単な例として似た名前の薬剤の処方間違いを例にあげると、サクシゾンという喘息の注射薬を処方するのにサクシンという筋弛緩剤を投与して患者さんが亡くなられた事件がありました。原因は処方医の単純ミスと思われますが、“再発防止”にはまずコンピュータで薬剤を選択する時に薬剤をアイウエオ順に並べずに薬剤の種類別に並び替える必要があります。つぎにサクシンは手術室で使用する薬剤ですので病棟に常備しない、もしオーダがあっても薬剤師が止める。さらに看護師も投与する時にサクシンという薬剤の知識がなかったのであれば再教育する必要があります。そもそもどちらかの薬剤を病院内に採用しないという手もあります。これらの対策のいくつか、あるいはすべて講じ、他の似た名前の薬剤についても同様に検討すれば“再発防止”としては万全ではないでしょうか。

複雑な医療事故で再発防止策を講じる項目が何十カ所もあったとしても無意味な医療事故裁判を何年もかけて戦うよりよっぽど建設的でたやすい様な気がします。厚生省の天下り団体(日本医療機能評価機構)にヒヤリハット事例報告をあげても何も対策の指示もないわけで、そんなんでは誰も報告する気にはならんでしょう。現場が動けば良いのです。人間がやることに完璧はなく、医療行為が複雑化すればするほど医療事故はゼロになることはありませんが、“再発防止”を積み重ねてゆくしかないですね。


★季節性インフルエンザの動向[タミフル耐性インフルエンザは?](平成21年2月号)
インフルエンザにはA香港型(H3N2)、Aソ連型(H1N1)、B型の3種類あって現在の流行の状況はおおまかにそれぞれ45%、35%、20%だそうです。このAソ連型の中の90%以上でタミフル耐性ウイルスが見つかっています。これはヨーロッパから入ってきたウイルスで耐性遺伝子を持ったのはタミフルの乱用が原因ではなさそうです。とは言ってもタミフルが効かないとなると困ったものです。A型と診断できても香港型かソ連型分からないわけです。だいたいタミフルを服用して解熱するまでの平均時間は約30時間くらいでです。それより長く熱が続く場合は耐性株の可能性があります。その場合はリレンザ吸入に変えますか?最初からリレンザ吸入しますか?耐性株がどれぐらい広がるかシーズンが終わってみないと解りません。ちなみにこれは新型インフルエンザではありません。新型インフルエンザは鳥インフルエンザ(H5N1)とA香港型から発生する可能性が高いと思います。解りませんが・・・・

★熱中症について(平成20年8月号)
猛暑が続いています。お年寄りや子供さん方には熱中症が増えております。いわゆる熱中症の症状には3段階あって1度(軽症)は熱痙攣(こむらがえり)、熱失神(数秒程度)、2度は熱疲労、めまい、嘔吐、頭痛などの中等症、3度は熱射病と言って高体温、意識障害、全身痙攣など重症のものです。中等症以上の症状は体温や血圧の調節など自律神経がコントロールしている機能が急激に破綻した状態です。1度の段階で治療すれば生命の危険はありませんが、2度以上は死亡する可能性があります。早めに治療いたしましょう。予防には早めに強制的に水分補給させること(お年寄りはあまり乾きを感じなかったり、子供は遊びに熱中して飲むのを忘れがちです)と、塩分補給です。濃い目のスポーツドリンクかお年寄りには梅干しもいいかも。高血圧の方もちょっと減塩は忘れましょうか。

★特定健診、特定保健指導始まる(平成20年4月号)
いよいよ平成20年度(4月)より特定健診、保健指導が始まります。特定って何やねん?って誰でも突っ込みたくなりますね。政府のお役人がやたら使う意味のない接頭語です。特定疾患、特定財源などなど、、、。実は例のメタボリック症候群予防目的の健診です。これは国を挙げての壮大な事業というかまあ医療費削減のための実験ですな。これをメガ・スタディと呼びます。医者が主導でやる臨床試験と同じことですが、違うのはお薬の有効性を確かめるのではなく保健指導で介入することと、比較対照試験(お薬だと偽薬を飲ませるグループ)がないことでしょうか。また臨床試験と違って参加者の同意は得ない、40歳以上の人は有無を言わさず全員参加と言うことです。まあ皮肉なことばかり言いましたが、国民健康保険の方や会社員の扶養家族の方これしか健康診断はありません(市民健診はなくなりました)。年に一回、特定健診を受けて糖尿病、高血圧、高脂血症の早期発見に役立てましょう。引っかかった人は食事制限と運動(ウォーキング)あるのみです。禁煙も忘れずに。
平成20年4月からと言いましたが、あわてないで下さい。特定健診を受けるには受診券という紙が必要ですので、お役所や会社から受診券が郵送されてきたらこれを持って受診して下さい。

★だれも言わなかった?カゼ症候群(インフルエンザ、小児を除く)
について(平成19年12月号)

カゼの季節になりました。いわゆるカゼとは、咳、痰、のどの痛み、鼻水などの諸症状が急性に起きる病気で、原因はライノウイルスを主体にその他の弱毒ウイルスの感染によるとされています。だいたい4日から10日ぐらいで自然治癒します。正直いうとカゼを治す薬や注射はありません。あくまでも症状を和らげる薬があるだけです。のどの痛みや発熱には解熱鎮痛剤、咳には咳止めや痰を出やすくする薬、鼻水には抗ヒスタミン薬などなど、、、それらの合わさった総合感冒薬。しかし、これらはかぜの症状を早く治すという証明はなされていません。とにかく早く治る薬をくれとか、早く治る注射してというのは無理な話なんです。そんな薬があれば全員に投与してますよ。私も欲しいです。大人は1年間にだいたい2回以上カゼをひくそうです(0回の人もいれば4回の人もいる)。3日で治る場合もあるし2週間かかる場合もあります。いつか治りまし、いつも効く薬はないのです。患者さんは自分の経験で話をされまますが、医者は科学的な(エビデンスに基づいて)話をしますので、それが理解が噛み合ない原因でしょう。だれでもかかる病気ともなればなおさらその格差が激しくなるのでしょう。
ただし、はっきりカゼと分かっていればという話です。厄介なのは、細菌性の扁桃腺炎は症状が似ているし、喘息ある方は発作が誘発されたり、免疫力の低下した方は肺炎や副鼻腔炎などの合併症を起こすことがあったり、カゼと思ったら膠原病など重篤な病気の初期だったということがまれにあるからです。カゼを診断する検査はありませんが、他の病気でないか、あるいは合併症はないかチェックするために検査、経過観察する場合があります。
医者は重篤な病気でなくカゼで良かったなと思い、患者さんはカゼぐらいなら早く治せと思う、やれやれいつまでたっても...

★速報!耐性ピロリ菌の除菌療法が保険適応に(平成19年9月号)
以前このコラムでも取り上げました、ピロリ菌の除菌療法に失敗した方に朗報です。失敗の原因は抗生剤耐性ピロリ菌であることが多いのですが、耐性菌にも効果のある除菌薬の組み合わせ(セカンドラインセラピー)が8月23日付けで保険適応となりました。当院でも今まで自費診療で行ってきましたが、1回目の除菌で失敗した方も2回目で90%以上除菌成功しております。保険が認められましたので薬剤費だけで計算すると1500円弱で済みます。また第二の治療法があることで気軽に除菌に臨めますね。

★経鼻内視鏡は最新で最良の内視鏡検査か?(平成19年5月号)
最近、鼻から挿入する胃カメラ、経鼻内視鏡を行う病院、医院が増えてきております。内視鏡が細いのと挿入の方向から舌根や咽頭に当たりにくいのでオエッとなりにくいため患者さんにとって検査が楽なためです。はたして良い検査法なのでしょうか?
わたしもある病院で経鼻内視鏡を使う機会がありました。O社製のもF社製のも触ってみましたが見た目は経口内視鏡に比べると思った以上に細いなあという印象です。しかし、実際使ってみると普通の内視鏡に比べて明らかに画像が悪いです。“通常の観察には問題ありません”という報告も多かったのでもっと良いかと思っていたのですが期待はずれです。はっきり言って15年前の電子内視鏡初期の画像を思い出しました。見逃しがあってはもともこもありませんので検査していてかなりストレスを感じました。O社製もF社製も低価格帯での機種なのでしょうがないかもしれませんが、同じモニターを使用して同じレベルの経口内視鏡と比べるてもその差は歴然としております。会社の差やプロセッサーの差を云々言っているのではなく明らかにその細さで画像を犠牲にしているのです。最新の内視鏡検査として何かと話題の経鼻内視鏡ですが、画像においてはその会社のすべての機種の中で経鼻内視鏡が最低であることは間違いありません。かなり改良の余地はありそうです。まだまだ採用する気にはなりませんね。

★ピロリ菌除菌に失敗したらどうしよう(平成19年2月号)
最近は胃潰瘍、十二指腸潰瘍の既往のある方(潰瘍持ち)の方でピロリ菌の除菌療法を受けたことのある方が増えてきました。しかし除菌療法を受けられて失敗した方もおられます!失敗の原因はいくつか考えられますが、一部の抗生物質に対する耐性菌が存在する可能性があります。ピロリ菌除菌の成功率は以前は80%近くありましたが、抗生物質の乱用で耐性菌ができ70%ぐらいまで下がりました。耐性菌以外の原因としては喫煙があります。除菌中は禁煙が望ましいのです。その他、除菌以外の薬をたくさん服用している方は除菌に失敗しやすいようです。耐性菌であれば同じ薬の組み合わせで再度やっても除菌できません。自費になりますが、1つの薬を変更することにより成功する可能性があります。一度院長に相談ください。

★内視鏡検査とギター!!(平成18年夏休み特別号)
むかし私の出身大学の消化器内視鏡を専門とする部門では私を含めギターを弾くドクターが多いなあと思っていた所、フトあることに気づきました。

“内視鏡検査はギター演奏に似ている!!”

内視鏡検査は左手でハンドル(先端を上下左右に曲げるための部分)を操作し、右手でシャフト(体内へ挿入する部分)を出し入れします。ギターは左手でフレットの弦を押さえ(メロディ)、右手で弦をはじきます(リズム)。右手と左手の役割が同じです。左手は胸の高さで右手は腰の位置で構え、見た目にも何となくギターに似ていると感じられます。
ギターテクニックと同様、内視鏡テクニックは左手で細かい先端操作を行い右手でリズミカルに出し入れをする、左手と右手の協調運動が大切なのです。
ちなみにジミ・ヘンドリックスやポール・マッカートニー(ギターでなくベースですが)などギッチョのアーチストは左右を逆に持ったり(当然、弦の上下も変えます)左利き専用のギターを使用しますが、内視鏡には左利き用のものはありませし、逆に持つ人はいません。患者さんの体の向きも変えなくてはいけませんし、内視鏡を進める方向が変わってしまうので大変です。

★大腸癌/ポリープは遺伝するか(平成18年6月号)
明確な遺伝性大腸癌には2種類あって、ひとつは家族性腺腫性ポリポーシスといって大腸内に(実は大腸に限らないのですが)ポリープが100個以上できるめずらしい病気です。
この病気の人は100%大腸癌になります。もうひとつは遺伝性非ポリポーシス性大腸癌で、ポリープはたくさん出来ないのに大腸癌になります。普通の大腸癌と大腸の検査所見があまり変わらないので、家族内にどれだけ大腸癌の方がいるかで診断します。

診断基準は
A)第1度近親者(親、兄弟、子)に本人を含む3名以上の大腸癌患者がいる。 
B)第1度近親者(親、兄弟、子)に本人を含む2名以上の大腸癌患者がおり、少なくとも1例はa〜dのいずれかを満たすもの。
                   
 a)50歳未満で診断されていること
 b)右側結腸癌
 c)多発大腸癌(同時性または異時性)
 d)他の臓器の癌合併(同時性または異時性)

ちょっと難しくなりましたがこの病気は全大腸癌の1〜5%にすぎません。しかし遺伝性非ポリポーシス性大腸癌と診断されなくても灰色の部分もあります。程度の差はあれ家族に1人や2人大腸癌の方がおられる方もおられるでしょう。大腸癌は遺伝傾向があるのは事実です。だから1人でも家族に大腸癌のおられる方は気をつけるにこしたことはありません。大腸ポリープもね!

★高脂血症って何だろう?(平成18年4月号)
高脂血症というのはよく聞く病名ですね。また高コレステロール血症、中性脂肪が高いなんていうのもよく聞きます。コレステロールの中でも善玉、悪玉っていうのもよく言われますね。これらの違いって何でしょう。
食べ物を取ると小腸から脂肪が吸収され肝臓へ運ばれコレステロールに合成されます。コレステロールは体内でホルモンや細胞膜の原料として使われ、余ったものは再び肝臓へ集められ、消化液(胆汁酸)として肝臓から小腸へ排泄、便として出されます。この肝臓へ戻ってきて排泄されるコレステロールをHDLコレステロールといい排泄される部分ですので善玉コレステロールとされています。血液の中に残ったコレステロールがLDLコレステロールで、これは血管の壁に沈着すると動脈硬化や血栓の原因となるため悪玉コレステロールと呼ばれています。中性脂肪は皮下脂肪や内蔵脂肪に蓄積されエネルギーとして燃焼するの使われます。
商売にたとえると総コレステロール(食べた脂防)が総仕入れとすると、売り上げがHDLコレステロール、店頭品の売れ残りがLDLコレステロール、倉庫の在庫が中性脂肪みたいな感覚でしょうか。在庫を残さないように仕入れはほどほどに!!

★花粉症(スギ・ヒノキ)について(平成18年2月号)
今年も嫌な花粉症の季節が始まります。環境省によりますと、今年は昨年に比べてスギ花粉飛散量は30%、例年の平均からみても60〜70%にとどまるとの発表がありました。しかし油断は禁物です!『平成17年春に花粉を多量に取り込んだため平成18年春にわずかな花粉で発症してしまう事例も予測されることから、花粉飛散量が少ないことが直ちに患者数の減少につながるとは限らない』と警告されております。今年の飛散開始日は阪神間では2月20日と例年よりやや遅いと予測されています。しかし飛散開始日とは1cuあたり
1個以上飛び始める時期であって1月よりすでに0.2〜0.3個/1cuは飛散しています(初飛散日は1月中です)。
お薬をより有効に効かすためには初期治療が大切と言われています。初期治療とは、飛散開始日の約2週間前より(症状が出現する前に)内服を開始する治療です。今年も早めの予防策、治療を心がけましょう。

★生活習慣病のお薬について(H18年01月号)
新年あけましておめでとうございます。さて、お正月のあいだ食べ過ぎたり、運動不足になっていませんでしょうか?高血圧、高脂血症、糖尿病などの生 活習慣病の方にとっては良くない季節です。 生活習慣病はほとんど自覚症状がないのでお薬を飲むことを極端に嫌う方がおられます。平均寿命が延びてます ので予備軍の方はいつかはお薬のお世話になる時がきます。お薬と上手におつきあいする方が良いでしょう。ちなみに、最近の高血圧の薬はいろいろなお薬の中でも最も副作用の少ない部類になると思います。急に血圧が下がりすぎることはまずありません。また、高脂血症の薬はすべてのお薬の中でも最も良く 効く部類になります。驚くほど数値が改善されます。副作用については最初の3〜6ヵ月注意すれば後で現れることはまずありません。糖尿病の薬に関して は種類が多いのでどういう薬が適切かは主治医の判断によります。いずれのお薬も長く飲み続ける必要がありますが、万が一中断したからといって前より悪 くなることありません。高血圧のお薬を中断すると脳卒中になるなんて言うのは迷信です。もとの高血圧に戻るだけです。

★ピロリ菌あれこれ(H17年12月号)
ピロリ菌を知らない人もだんだん少なくなってきましたね。胃の中に住んでいるあの細菌です。先日、発見者がノーベル賞を受賞したのでさらに有名にな りました。感染しているとピロリ菌の毒素で胃潰瘍や十二指腸潰瘍おこす人もありますし、何ともない人あります。何ともない人でも胃カメラをするとほぼ 確実に慢性胃炎の所見はみられます。 もうひとつ厄介なのはピロリ菌感染が原因で胃癌の危険性が高くなるようです。だいたい感染していない人の6倍高いらしいです。こないだテレビで大橋 巨泉さんが出ていて“自分は酒もタバコもやらないし胃癌になる要因がないが唯一母親が胃癌なので遺伝なのでしかたがないかな….”みたいなことことを 言われてましたが、胃癌は大腸癌と違って遺伝するかはっきりしていないのですが、確かに胃癌は家族内で多発することが時にあります。これはピロリ菌の 家族内感染(特に母子感染)が関係あるとわたしは思います。

※当サイトの〈最近の話題・院長雑感〉は、一般の方(医療関係者以外の方)に解りやすくかつ簡潔に説明するため医学的な詳細は割愛している部分があります。専門家の方には正確でないと感じられるかもしれませんがご了承ください。